ノロウイルス感染(感染性胃腸炎)に注意しましょう

ー強力な感染性をもった、見えないウイルス おう吐下痢症ー

インフルエンザほどの病原性、危険性はくありませんが、簡単に伝染し、おう吐と下痢で強度の脱水を起こしやすいウイルス感染症です。感染しても、咳や熱はひどくないため、外観からは感染者とわかりにくく、また24−48時間の潜伏期の後、急速に発症しますので、注意が必要です。

■発症したら最初にすること。それは周囲の家族、仲間、隣人への二次感染予防です。
 吐物、下痢便には大量のウイルスが含まれ、トイレやおう吐の後処理、清掃した人の手から、ドアのノブや水道の蛇口、タオルなどにウイルスが付着し、これに触れた未感染者が手をよく洗わずに食事をとると簡単に感染します。また感染者の咳、見えないツバからも飛沫感染します。
 感染者はまずよく手洗いをし、マスク着用、食材を触らないことです。小児や高齢の方、糖尿や慢性疾患の方は医療機関への受診した方が安心です。強い下痢止めは飲むと症状が長引いてしまいます。感染した糞便は早くカラダから出すことが重要で、嘔気を繰り返す場合はおう吐してしまったほうがいい場合もあります。

■治療は、まず脱水の予防が必要です。おう吐しても落ち着いたら少しずつ水分を取ります、下痢や、おう吐した場合はスポーツ飲料など電解質の多い飲料水がお勧めです。症状を和らげる目的で軽い整腸剤、胃粘膜保護のクスリ程度の対症療法を行います。ノロウイルス等感染性胃腸炎に対する特効薬は無く、抗生物質も無意味です。通常は少しずつ症状が改善していけば経過を見ますが長引くとき、症状の強い時は他の病気の可能性もあり医療機関を受診しましょう。
 脱水症が強い時は電解質の点滴が必要です。高い発熱、腹痛が強い時や下痢、おう吐に血液が混じる時はからなず医療機関へ受診する必要があります。自家食中毒や他の合併症、急性腹症は早期発見、治療は必須です。下痢やおう吐が収まり6−12時間すれば、消化の良い炭水化物、おかゆなどを取り始めてもいいでしょう。 

■感染拡大防止のために。
 まわりの人々への2次感染を防ぐため、おう吐物や下痢便をしっかり処分する必要があります。マスクとビニール手袋で防護し、ペーパータオル、古新聞で汚物をまず取り除き、さらに次亜塩素酸0.1パーセントの消毒液をスプレーします。消毒液は漂白剤系の洗剤ハイター10ml+水500mlで簡単に作れます。終了後はよく手洗いをし、また感染者がふれた亜可能性のある部分も消毒しておくといいでしょう。(蛇口やドアの取っ手、トイレの手すり、室内灯のスイッチ、テレビのリモコン、携帯、マウス、など。

■発症への備え・リスク管理。
汚物除去をした人や感染者と同居の家族は、感染発症にそなえます。24時間から48時間の潜伏期をおいて、軽い腹痛や嘔気、下痢が始まるかもしれません。まえもって発症しても軽くすむよう気配りしておきましょう。
 @食事は消化の良い炭水化物を、少なめで済ませる。(ダイエットになる)
 Aアルコールや消化の悪い油もの等を大量にとらない。(メタボ改善)
 B遠方への外出を控え、万一の発症にそなえ、マスクをし上記の掃除用品を準備する 等が考えられます。ようするに清貧の生活ですね。

予防のために手をよく洗いましょう。
嘔吐、下痢のときは、まず食事をガマン。水分だけにしましょう。
 
点滴で楽になります。

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